商標登録の無料情報満載、手数料ゼロの商標登録他調査から費用まで

商標法上の商品及び役務の正しい理解

商標法上の商品及び役務の正しい理解

商標を登録するにあたって、商品及び役務を正しく理解することはとても重要です。正しく商品及び役務を指定しないと、いくら商標権が発生しても守りたい範囲がずれている場合があるからです。
 そうならないように、ここでは商標法上の商品及び役務を正しく理解していきましょう。

商標法上の商品及び役務の意義

 商標法では、商品とは商取引の目的たりうべき物、特に動産をいいます。取引対象として流通過程にのり、ある程度量産可能なものをいいます。
 そして、役務(サービス)は独立して商取引の目的となる(すなわち、役務を業として提供すること)、他人のために行う労務又は便益をいいます。
 商標法は、指定商品又は指定役務について、登録商標の独占権を認め、また登録商標に類似する範囲で他人の使用の禁止を認めています。
 そのため、商標登録出願は必ず、商標とそれを使用する商品又は役務(サービス)とセットでしなければなりません。

商標法上の商品及び役務(サービス)の成立要件

商品の意義

 これまで商品とは商取引の目的たりうべき物、特に動産をいうとされ、無体物は商品でないとされてきましたが、平成14年の法改正で、市場で取引の対象となる流通性・代替性のある電子情報財等の無体物も商品として扱われるようになりました。

商品の成立要件

  1. 取引の対象となりうる物であること。民法では、物とは有体物に限られますが、商標法では商品とは有体物と無体物とを含むものです。
    WEB上でダウンロードできる画像データも商品に含まれます。
    red 自社の商品やサービスを宣伝するためのマッチ、ちらし等のノベルティ商品は商標法上の商品には該当しません。これらは独立して商取引の対象になるものではなく、単なる自社商品又は役務の宣伝媒体だからです。
    red 禁制品(阿片等)、専売品(塩)は商品に該当します。誰でも販売できるか否かの問題とは別です。
    red 有価証券は商品ではありません。それ自体が取引の対象となるわけではないからです。
  2. 流通過程に乗ること
    ●自家用に供する物は商品に該当しません。流通過程にのらないからです。たとえば、乳牛を1頭飼っていて、その乳牛から絞った牛乳を自分の家庭内のみで飲んでいる場合です。
    ●料理屋さんで提供される料理は、商品ではありません。外部に流通しないからです。ただし、パック詰め料理は商品です。なお、料理屋さんの業務は、例えば「日本料理の提供」として役務で保護されます。
  3. ある程度量産可能であること
    ●物理的に同一でなくても、一定量の商品が一定品質を有していれば足ります。書画、骨董品は商品ではありません。ただし、その複製品は商品です。
  4. 有体物かつ動産であること
    ●電気、熱、光は商品ではありません。
    ●不動産は商品ではありません。ただし、組み立て家屋等は商品に該当します。移動して取引ができるからです。
  5. 無体物の場合
    ●ダウンロード可能な電子出版物、プログラムは商品です。

役務の成立要件

 役務(サービス)とは他人のために行う労務又は便益であって独立して商取引の目的たりうべきものです。

  1. 役務に該当する具体例
    ●金融、広告、通信、建設、輸送、商品の小売他
  2. 役務に該当しない具体例
    ●家庭内での活動。取引できないからである。
    ●自己の商品の販売を促進するための広告宣伝サービス
    ●買い上げ商品の無料配送
    ●ホテル事業者のバスによる送迎
    ●自社内で行う社内研修活動
    ●注文料理の出前
    ●自社の商品をお客様のためにラッピングする行為

商品商標と小売等役務商標の関係

第35類に「(商品名)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務が追加されました。これを便宜上、小売等役務商標と呼んでいます。そこで、ネットショップを経営している私はどちらを指定すればよいのか?という疑問がでてきます。
 以下、重複する部分もありますが少し解説してみます。

商品商標

 商品に直接使うブランド名やマークは、商品について使用する商標です。これを便宜上「商品商標」と呼んでいます。例えば自社の化粧品のボトルに「BIGAN&BIHADA」という商標を付するのであれば、第3類の商品「化粧品」を指定して商標登録を行います。

小売等役務商標

 一方、化粧品を販売する小売店舗(ネットショップを含む。)の店名やマークは、小売という役務(サービス)に使用されることから、便宜上「小売等役務商標」と呼ばれています。
 身近なコンビニの「LAWSON」であれば、第35類の役務である「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」指定して登録をする必要があります。最近では「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」も指定しないとけません。

商品商標と小売等役務商標の違い

 メーカであれば商品商標を登録する必要があるのは、よく分かります。では、小売店であればどうでしょうか?商品に直接関係しないのが小売等役務商標です。コンビニで扱っているノートに印刷されている「コクヨ」は商品商標で、コンビニの看板や店員さんの制服、ショッピングカートに表示されている「LAWSON」は小売等役務商標です。
 一般的に自社のオリジナルブランド商品であれば、商品商標を登録し、他社ブランドの商品の小売店であれば、小売等役務商標を登録します。過去には小売等役務商標制度がなかったため、小売店は、多くの商品を指定して商標を登録するしか方法がありませんでしたが、小売等役務商標制度ができてから、その必要はなくなりました。

商品商標と小売等役務商標の両方必要な場合

 では、コンビニが自社ブランドの商品を開発して自分の店舗で販売する場合はどうでしょうか。先ほどのローソンが独自に製造した商品「ロールケーキ」の包装に「LAWSON」の商標を付けて販売する場合は、第30類「ロールケーキ」を指定(実際はもっと広く「洋菓子」を指定)して商標登録するのが原則です。この場合には第30類の商品「洋菓子」と第35類の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の両方を指定して商標登録を行います。

商品商標と小売等役務の両方を指定する意義

 商標権には、専用権と禁止権があります。専用権とは指定した商品又は役務について登録商標を独占使用できる権利です。禁止権とは、登録商標に類似する他人の商標の使用と登録を禁止できる権利です。
 そして、特許庁は今のところ、「商品」と「その商品の小売等役務」は類似するといっています。そうすると、「商品」か「その商品の小売等役務」の一方を登録しておけば、原則として他方に禁止権が及び、他人は他方の商標を登録できないことになります。(使用については権利が及ぶのかあやしいですが。)
 それで、費用もかかるし、「商品」か「小売等役務」の一方のみ登録しておけば十分じゃないの、との考えがでてきます。
 ただ、注意が必要なのは、特許庁は「商品」と「その小売等役務」は互いに類似すると「推定」して審査を行っています。「推定」は、覆ることがあります。現在までこの「推定」が覆った例はありませんが、今後も覆らない保証はありません。
 ですから、原則といったように、自社ブランドの商品も扱い、他社ブランドの商品も同じ商標で扱う場合は、「商品」と「その商品の小売等役務」の両方を指定して商標登録を行っておく方が、安心です。
 もし、自社ブランドの商品も扱っているが、費用面で両方はきつい、ということであれば商品商標で登録されるのがよいでしょう。
 
 
 

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional