商標登録の無料情報満載、手数料ゼロの商標登録他調査から費用まで

商標事件簿4

商標事件簿4

ここでは、商標に関係する興味深い事件や裁判例を紹介します。

プロ仕様事件

 この事件は、出願商標「プロ仕様」に対して、商品の品質、用途を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないもので、独占適応性に欠けるとされた事件です。
 商標「プロ仕様」は指定商品を「食肉、食用魚介類(生きているものを除く。)、肉製品、加工水産物、豆、・・・・」として出願されたものです。
これを拒絶した特許庁の審決を不服として訴えが提起されましたが、以下の判決により棄却されました。
審決の「本願商標を指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「業務用の商品、プロ(専門家)用、プロの料理人が作ったものと同じ商品」等であると認識し、商品の品質、用途を表示したものと理解する」との認定は是認し得るものである。

再開発コーディネーター事件

 この事件は「技芸・スポーツ又は知識の教授、セミナーの企画・運営又は開催他」を指定役務とする商標「再開発コーディネーター」が、指定役務に使用した場合は、需要者は「再開発のための業務を円滑に行うための調整者」の意味を容易に理解させるものであり、識別力がなく、その他の内容で使用する場合は役務の混同を生じさせる、とされた事件です。

たらの子こうじ漬事件

 この事件は指定商品を「たらこと麹を主原料とする漬物、たらこと数の子、あえもの、・・・・」として出願された「たら子こうじ漬」の文字と絵からなる商標が、その商品の品質の誤認を生じるおそれがあるとされた事件です。
判決では、出願商標の文字部部分「たらの子」は「鱈」の「腹子」を意味し、「こうじ漬」は「肉・魚・野菜などを塩と麹で漬けた漬物」と理解されることは明らかである、とし、これを指定商品中「鱈の腹子と麹を主原料とした漬物」以外の商品について使用する場合にはあたかもその商品が、鱈の腹子と麹を主原料とする漬物であるかのごとく、その商品の品質の誤認を生じるおそれがある、としました。

案件情報事件 

 この事件は、指定役務を「職業のあっせん、広告、経営の診断及び指導・・・・」とした標準文字商標「案件情報」について、自他識別力がないとした事件です。
 判決は、「案件情報」に接した取引者・需要者は、ごく平易な語である「案件」と「情報」からなる語と理解したうえで、「案件」についての情報、すなわち、問題となっている事柄についての情報(知らせ)との意味を認識、理解するもので、自他役務の識別力がない、としています。
 そして、「案件情報」という語の辞書等への掲載の有無に左右されるものではなく、構成全体と商標法3条1項6号に該当するから登録できない、と判示しました。
 最近では、裁判所もWEBを検索して、その語が普通に使われているか否かの判断材料にしているようです。

シャディ事件 

 この事件は、カタログによるサービス業務は、商品の売買に伴い、付随的に行われる労務又は便益にすぎず、商標法にいう「役務」に該当しないというべきであるとされた事件です。
 判決では、商標法にいう「役務」とは、他人のために行う労務又は便益であって、付随的ではなく独立して市場において取引の対象と成りえるものと解すべきである。例えば、商品の譲渡に伴い、付随的に行われるサービスは。、それがそれ自体のみに着目すれば、他人のためにする労務又は便益に当たるとしても、市場において独立した取引の対象となっていると認められない限り、商標法にいう「役務」には該しないと解するのが相当である、としました。
 結局顧客は、カタログによるサービスを積極的に利用するとしても
、顧客が支払うのは商品代金のみであり、サービスに対する対価としての支払いは存在しないから、このサービスは独立して商取引の対象となっているわけではない、ということですね。

モンシュシュ事件

 商標権とは、商標と指定商品又は指定役務とがセットになったものであることは以前お伝えしました。
 今回はこれに関する判例をお知らせします。

 皆さんもよくご存知の「堂島ロール」で有名な株式会社モンシュシュ(現在はモンシュール)に対して商標「モンシュシュ」の使用差止請求がされた事件です。
 原告はゴンチャロフで「菓子、パン」を指定商品として「モンシュシュ」の登録商標を持っていました。一方、被告のモンシュシュは「ケーキ又は菓子を主とする飲食物の提供」で「モンシュシュ」の登録商標を持っていました。
 会社の名前が「モンシュシュ」で「ケーキ又は菓子を主とする飲食物の提供」で登録商標「モンシュシュ」を持っているのに、なぜ差止請求されたのか?

 皆さんは、不思議ですよね。

 これは、被告が箱に「モンシュシュ」と表示した持ち帰り用のケーキを販売していたからです。
 被告の商標権が及ぶのは店内でのケーキの提供というサービスであって、商品として店外へ販売することに対しては権利を持っていなかったからなのです。
 そして、その権利を持っていたのが、原告でした。

 また、会社の名前を使っているだけで、侵害なるか?
という議論もありますが、包装つまりパッケージに大きく「モンシュシュ」と表示すれば、それは販売者の表示ではなく、商標的使用と判断されます。会社名であれば、通常は包装の片隅に小さく一般的な文字で表示されるからです。

 店の中で食べていただくだけなら、役務商標、店の外で販売するのであれば商品商標もとっておかないとダメだという教訓です。
 そして、いくら自分の会社の名前でも商標的使用をすると、他人の商標権に対抗できない、という教訓です。

 これから商売を始められる皆さんは、十分ご注意くださいね。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional