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商標事件簿2

商標事件簿2

ここでは、商標に関係する興味深い事件や裁判例を紹介します。

ダイダラザウルス事件

 これは、今はなきエキスポランドの有名なジェットコースター「ダイダラザウルス」が「産業機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品とする登録商標「ダイダラザウルス」の商標権者から、名称使用禁止の仮処分を求められた事件です。
 はたして、エキスポランドのジェットコースターは商品であるか否か?判決では商標法上の商品は、一般取引の対象として流通性を有する代替的な有体動産であると定義し、エキスポランドのジェットコースターは土地の定着物であるから代替性が認められず取引の対象ではないから商標上の商品ではないと判示しています。
 ですから、商標権の効力が及ばないということですね。

中納言事件

 これは、「中納言」の名称で伊勢海老や石焼ステーキの料理店を展開する被告に、指定商品「加工食品」についての登録商標「中納言」の商標権者が使用の差し止めを求めた事件です。
 この事件では、料理店の店内で出される料理は、出所との結びつきが明白であり、他人のものとの識別を必要とする場はなく、流通性はないので「商品」ではないと判示しています。

TOTAL ENGLISH 事件

「TOTAL ENGLISH」は中学校で使用されている英語の教科書の名称です。
 本件は、この「新聞、雑誌」を指定商品とする「TOATAL ENGLISH」に対して、登録商標を使用していないという理由で不使用取消審判が請求された事件です。
 被告が使用証拠として提出した印刷物に関して、当該印刷物は本教科書を採用している中学校の教師に無償で配布されている指導用の資料であり、一般の書店では販売されていないものの、出版社の営業部員に電話等で直接購入できるので「商品」であるとしています。
 そして、裏表紙のは、発行者の名称、定価が記載されているので定期的に刊行されている雑誌であると認定して、登録を維持する審決をしています。
 確かに教科書は一般書店では販売されていませんが、学校教材の販売会社にいけば、例えば生徒の親でも教科書を買うことはできます。
 私も、娘の受験勉強のために、教科書を買いに行ったことがあります。

木馬座事件

 これは、「印刷物」を指定商品とする登録商標「木馬座」の商標権者である原告が、原告の元社員たちが設立した「木馬企画」に対して商標権侵害により差し止めを求めた事件です。
 被告は「木馬企画」のパンフレットやポスター等について使用禁止を求めましたが、裁判所はぬいぐるみ人形劇のパンフレットは有償で販売されていたとしても、人形劇を離れて独自に商取引の対象となるほど、流通性や交換価値はないので「商品」ではなく、入場券も人形劇というサービス提供の対価であって商標法上の「商品」ではないと、しました。

連音商標の類似性

 「ゆう」と「ゆうゆう」のように同じ言葉を繰り返して構成される商標(連音商標)と、もとの単語商標は類似するか否か、どう思われますか。
 私は当初類似すると思っていたのですが、実際に同様の案件を扱うようになって、いろいろと審決を調査してみました。
 結果は、ほとんどが類似しないという結論になっています。
例えば「ダーリン」と「ダーリン・ダーリン」や「サン」と「サンサン」は類似しないと判断されています。ちょっと不思議ですね。

BOSS事件

 この事件は「被服」を指定商品とする登録商標「BOSS」を所有する商標権者が、電子楽器「BOSS」の販売促進用に配布された「BOSS」のマークが付されたTシャツ、トレーナーが商標権を侵害するとして損害賠償を請求した事件です。
 裁判所は、電子楽器の購入者に一定の条件で無償配布されるTシャツやトレーナーは、独立して商取引の対象となるものではなく、商標法上の商品に該当しないので、商標権の侵害にならないとの判決をだしました。
 これがいわゆるノベルティに関する最初の判断です。
単なるオマケは商品ではないということですね。

母衣旗事件 

 この事件は福島県の伝承的地名である「母衣旗」が町おこしに使用されることを知って、先に出願して登録された商標が公序良俗違反で無効にされた事件です。
 判決文では「被告による本件商標の取得は、仮にその主張のとおり自ら使用する意思をもって出願されたとしても、原告による町の経済の振興を図るという地方公共団体としての政策目的に基づく公益的施策に便乗してその遂行を阻害し、公共的利益を損なう結果に至ることを知りながら、指定商品が限定されているとはいえ、該施策の中心に位置づけられている「母衣旗」名称による利益の独占を図る意図でしたものといわざるを得ず、本件商標は、公序良俗を害するものである。」
としています。
 ずるいことはダメということですね。

天一事件

 これは、天ぷら料理で広く知られていて、指定商品を「加工食料品」とする登録商標「天一」の商標権者が、天ぷら料理を営む法人にに対して商標法および不正競争防止法により「天一」の商号と商標の使用を差し止める訴訟を提起した事件です。
 判決では、料理店で提供される料理は、顧客の注文により持ち帰り用として有償で提供される料理の折詰は、市場において交換する目的で生産されたものではないので「商品」ではない、としました。
 商標権者の商標が「天ぷら料理の提供」を指定役務としていれば、商標権の範囲に入ったと考えます。
 お店で提供される料理は商標法上の「商品」ではありませんので、皆さん商標登録をお考えのときは指定商品・役務をよく考えましょう。

正露丸事件

 これはラッパのマークで知られる胃腸薬「セイロガン糖衣A」を製造販売する大幸薬品が、似たパッケージの「正露丸糖衣S」を製造販売するキョクトウに対して不正競争防止法によりパッケージの使用差止と損害賠償を求めた事件です。
 両製品はパッケージに「糖衣」などの文字が入っている点が共通しているがすでに「正露丸」が一般名称として多数の業者に使われていること、キョクトウの製品にはラッパのマークがないことを理由に最高裁への上告は棄却されています。
 「正露丸」は、日露戦争後に多数の業者により使用されていた「征露丸」が第二次世界大戦後に今の「正露丸」に変更されて広く使用されるようになったとされています。

日曜夕刊事件

 これは「新聞」を指定商品とする登録商標「日曜夕刊」に対して、不使用による取消が請求れた事件です。
 商標権者は新聞の取次を行っており、夕刊を配達しない日曜日に顧客サービスとして今までの記事や近所のニュースを掲載した新聞「日曜夕刊」を店頭スタンドで無料で配布していました。
 これが登録商標「日曜夕刊」の使用に該当するか否か。
裁判所は無料で配布した印刷物は「商品」ではないと判示しました。今のフリーペーパーのようなものですが、事件が昭和52年と古く、フルーペーパーが注目されている現在であれば、判断が変わっていたかもしれませんね。

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